米軍普天間飛行場の移設問題をめぐって、社民党執行部が焦燥感を募らせ
ている。県外・国外移設を訴えているが、鳩山内閣の政策判断への影響力
は限られており、党内から「県内移設なら連立を離脱すべきだ」との声も
出始めているためだ。「具体的な地名を挙げて、政府に検討を求めるべき
だ。佐賀空港関西国際空港への移設を提案してはどうか」。沖縄県選出
照屋寛徳衆院議員は19日の常任幹事会で、手詰まり感の漂う執行部にこ
う迫った。ただ、社民党にも、代替施設を同県名護市に建設するとした現
行計画に代わる有力案があるわけではない。常幹では照屋氏の発言に「地
元の反発を招く」との声が出され、執行部は結局、自衛隊員以外は人が住
まない硫黄島と米グアムという「実現可能性が小さい案」を提案すること
を確認するにとどまった。

 

社民党の何が問題なのかと言えば、連立与党にありながら、埋没しないた
めと言う不可解な理由で、独自の案を出そうとすることである。反対のた
めの反対では、旧社会党と何ら変わるものでもなく、そう言った姿勢が批
判されたために、衰退していったことを忘れたのだろうか。社民党が出て
きたところで、迷走する普天間基地の移設問題が解決するわけもなく、む
しろ迷走に拍車をかけるだけだ。それでも自党の主張をするのは勝手では
あるが、提案の内容が佐賀空港関西国際空港への移設ではお話になるま
い。民主党参院で与党で過半数を維持するために、社民党と連立を組ん
でいるのであって、このような勝手な主張を認めるためではなかろう。注
目を集めたいだけの行動なら、民主党を仕切る小沢幹事長が動くのではな
いか。それとも勝手にやらせておけと放置するのだろうか。