沖縄の米軍普天間飛行場移設問題で、鳩山首相が27日朝、首相公邸で仲
井真弘多沖縄県知事と会談していたことがわかった。複数の関係者が28
日、明らかにした。仲井真知事は、移設問題をめぐる県内の情勢を説明す
るとともに、可能な限り早期に決着するよう首相に求めた。首相は、移設
をめぐる決断の時期や場所などについて明確な考えを示さなかったとされ
るが、首相自らが着地点を探るために動き出したことで、移設問題は、年
内決着を焦点に最終局面の調整に入りそうだ。鳩山政権発足後、首相が仲
井真知事と個別に会談したのは初めて。会談は、首相が呼びかけたもので、
約1時間行われた。関係者によると、会談では、首相が「普天間問題につ
いて、沖縄県内の様子を聞きたい」と求めた。

 

迷走し続ける普天間基地の移設問題は鳩山政権のアキレス腱となっている。
それにしても、これだけ迷走させておいて、ようやく沖縄県の知事と会見
したことに驚くばかりだ。移設の決断をいつ下すのか、首相が曖昧な姿勢
を取り続けたことで、連立を組む社民、国民新両党が移設問題に積極的に
乗り出してきてしまった。未だに沖縄県内の様子を聞きたいとのん気なこ
とを言っている時点で、問題の重大さを理解していないことを意味してい
るのではないか。ズルズルと先送りしているうちに、自身の偽装献金問題
が深刻化し、民主党に対する不信感は増えつつある。県外、国外への移設
を訴えておきながら、首相が当初予定の名護への移設を決断すれば、相当
な打撃となることが予想される。大風呂敷を広げながら、結局は何も出来
なかったでは、話にならない。