[政治]

政府は17日、ガソリン税などの暫定税率に関し「暫定」の仕組みを廃止
した上で、別の仕組みで現在と同水準の課税を行う方向で見直す調整に入
った。同時にガソリン価格が急騰した場合に一定以上の価格にならないよ
うな仕組みも検討する。暫定税率をめぐっては、民主党が16日に「維持」
を申し入れたが、鳩山由紀夫首相は17日、見直す考えを表明。現在検討
している方策は「見直し」とはいえガソリン価格が維持される見通しで「
暫定税率を撤廃し家計に刺激を与える」とした首相のかつての発言との整
合性が問われそうだ。

 

党と政府が一体とは言うものの、党が上の立場として物を言っているよう
に見えるのは気のせいだろうか。暫定税率の廃止はマニフェストにも明記
されており、民主党暫定税率そのものは廃止するが、同じ料率で新たな
税を導入する。そんな詐欺的手法で暫定税率を廃止したとは言えないだろ
うし、ガソリン価格が高騰した際に、価格を抑える仕組みも検討とあるの
も、申し訳ない程度に付け加えられた文言に過ぎないだろう。確かに税収
減が見込まれる中で、暫定税率の廃止によって2.5兆円に上る税収を失
うのは、ますます国債頼みの予算編成となってしまう。それならば暫定税
率を維持すれば良いだけのことだが、マニフェストに書いてしまった以上
は廃止しなくてはならない、そんな構図に見える。かつて野党時代の民主
党は「暫定税率廃止」を叫び、「ガソリン値下げ隊」なる珍妙なるパフォ
ーマンス集団を結成したのを忘れたのであろうか。鳩山首相は「(税率の
廃止は)ある意味で誓いだ。最終的には私で結論を出す」と党の判断には
抵抗のそぶりを見せるが、果たして小沢幹事長率いる党を抑え込むことが
出来るか。これまでのブレ具合からして難しいように思われるが。