[政治］

鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」を巡る偽装献金問題で、
鳩山氏が東京地検特捜部に自らの関与を否定する上申書を提出したことが
分かった。関係者によると「元公設第１秘書を信頼してすべて任せており、
虚偽記載は知らなかった。過去数年間、虚偽記載をうかがわせる状況もな
かったが、調査したところ虚偽記載が分かった」などとする内容。上申書
を巡っては、鳩山氏が内容を確認したうえで署名していたことが既に分か
っていた。その後、この上申書が鳩山氏の関係者を通じて特捜部に提出さ
れたという。特捜部は鳩山氏の関与をうかがわせる証拠がないことなどか
ら、鳩山氏の事情聴取を見送るとともに、不起訴とする方針を固めている。
鳩山首相は上申書を提出したことについて、「さまざまな憶測を呼びます
から、ノーコメントとさせていただきます」と述べた。

野党時代の鳩山首相は「秘書の罪は国会議員の罪だ」と言い放ったわけだ
が、自らの秘書がやったことについては、罪とならないのであろうか。こ
のようなダブルスタンダードが通用すると思ったら大間違いである。実母
からの多額の資金援助は鳩山首相への「子ども手当」などと揶揄される向
きもあるが、真相そのものは解明されないまま、秘書が罪を被って終わっ
てしまったのでは、それこそ自民党政権の時代と何ら変わらないではない
か。上申書を提出したことさえ、ノーコメントで押し通そうとするのは、
公に出来ないようなことを隠しているのでは、と思われても仕方あるまい。
鳩山内閣の支持率が続落しているのは、期待と言うメッキが剥がれてきた
ことと同時に、鳩山首相の言行不一致や偽装献金問題が大きい。そのこと
を認識しないまま、首相の座にあり続けるのは実に恐ろしいことだ。