「ここ一番という時に自分たちの手で政策を決定し、国会で法案を成立さ
せる力を持つことが非常に大事だ」。民主党小沢一郎幹事長は元日、東
京都世田谷区の私邸に党所属国会議員を集めた新年会のあいさつで、今年
最大の政治決戦となる参院選での単独過半数獲得を目指す強い決意を表明
した。小沢邸付近は元日午後、異様な雰囲気に包まれた。永住外国人への
地方参政権付与に反対する数十人が新年会の時間に合わせて集まり、推進
派の小沢氏を大声で批判。警視庁の警護官らが厳重な警備を敷く中、政権
交代後初となる「小沢詣で」に訪れた参加者の公用車やハイヤーであふれ
返った。毎年恒例の新年会だが、昨年は衆院選を控え、小沢氏が「元旦か
ら神社前に立て」と指示し中止。2年ぶりの今回は、衆院選で初当選した
新人議員を中心とする「第1部」と、ベテラン議員らによる「第2部」に
分けて開かれ、党所属議員全体の約4割にあたる計166人が駆けつけた。

 

政権交代が実現し、鳩山政権が誕生したものの、小沢幹事長と言う大きな
影が覆っているのだ。菅直人副総理兼国家戦略担当相や平野博文官房長官
原口一博総務相ら主要閣僚が訪問し、その権勢を見せ付けた。だが、その
足元は非常に不安定なものになりつつある。小沢幹事長資金管理団体
陸山会」の土地購入問題が今なお尾を引いており、解決するどころか、資
金管理団体の会計事務担当だった石川知裕衆院議員が事情聴取され、ます
ます疑惑が深まっているのが現状である。今夏の参院選勝利のために全国
行脚をするのだろうが、果たしてそのようなことをしている場合なのか。
「小沢詣で」に気を良くするのは勝手としても、自身の疑惑を放置したま
まなのはいただけないだろう。鳩山政権が支持を失っていく中で、18日
も始まる予定の通常国会では、野党の厳しい追及が待っている。このまま
「闇将軍」として居座り続けられるのであろうか。