自民党谷垣禎一総裁は4日午前、三重県伊勢市伊勢神宮の外宮と内宮
を参拝した。同党総裁は例年、首相として複数の閣僚を同行し参拝してき
たが、昨夏の衆院選で政権から転落したことを受け、党三役で同行したの
田野瀬良太郎・総務会長だけ。同行者の大半は三ツ矢憲生県連会長ら地
元関係者となった。警備も一般参拝客とロープで区分する厳戒態勢の首相
参拝とは異なり、一行は参拝客と同じ参道を歩いた。時折、「谷垣さん!」
と声がかかると手を振って応えたが、参拝客の握手攻めにあってきた歴代
総裁とは違い、静かな参拝となった。谷垣総裁は内宮参拝後に会見し、「
今月始まる通常国会は、日本の政治と自民党にとって大事な国会になる。
現政権の経済政策、外交、政治とカネ、強権的な政治運営手法について問
題点を追及していく」と述べた。

 

衆院選で歴史的大敗を喫し野党に転落した自民党。今なお、そのショック
から立ち直れていないように見えるのは間違いだろうか。野党だけに、メ
ディアも自民党を取り上げることは激減し、谷垣総裁の存在感は非常に薄
い。存在感を発揮するには通常国会で、鳩山政権の問題点を徹底的に追及
し、世論を味方に付ける以外にないだろう。夏の参院選に向けて、これま
で支援をしてくれていた業界団体が離反する中で、如何にして支持を集め
ていくかが重要だ。民主党が進めようとしている永住外国人への地方参政
権付与や選択的夫婦別姓など、保守層が受け入れにくい法案には断固とし
て反対し、保守政党として立て直しを図り、民主党に流れた層を取り戻さ
なくては勝利など覚束ない。民主党の支持率が低迷している、この状況を
逃すことなく、攻勢に出るべきだろう。