藤井裕久財務相は5日午前の記者会見で、自らの体調不良による進退問題
に関連し、「医師の判断を尊重する」と述べた。周辺には「健康に自信が
ない。長丁場の国会で迷惑をかけたくない」と漏らしており、医師の診断
結果次第では辞任する可能性が出ている。藤井氏は5日午前の閣議の後、
鳩山首相首相官邸に訪ね、検査入院の経過などを報告した。その後の記
者会見で、藤井氏は「結論を出してもらう段階にある」と述べ、早ければ
週内にも出る医師の判断を尊重して進退を検討する考えを示した。首相へ
の報告は自身の体調の問題だったとし、「首相は黙って聞いていた」と語
った。藤井氏は昨年12月28日、2010年度予算編成作業による疲労
などを訴えて検査入院したが、同月30日の臨時閣議後には記者会見を行
った。藤井氏は「血圧が高くなっているため、静養を兼ねた入院だ」と説
明していた。民主党内には「予算案作りが終わったことで、通常国会を前
に辞任するのではないか」という声がある。

 

一度は政界を引退した藤井裕久氏だったが、先の衆院選では請われて比例
名簿に名を連ね当選、要職の財務相として鳩山内閣入りした。だが、就任
早々に主要20カ国・地域金融サミットに出席した藤井氏は「意図的な円
安政策はとらない」と発言し、円高を容認されたと判断され、為替・株式
市場に大きな影響を与えてしまった。さらに、子ども手当の所得制限につ
いては、富裕層に限定する必要があるとして年収1億円という制限額を示
すなど、どこかずれた発言を繰り返しているように思える。それが高齢に
よるものかは分からないが、通常国会を前にして辞任と言うのが想定の流
れではなかろうか。野党が通常国会で鳩山政権へ攻勢をかけてくることが
予想され、「医師の判断」を理由にして辞任なら、高齢でもあり敵前逃亡
にはならないだろう。さらに言えば、人の良い鳩山首相が、藤井財務相
通常国会で予算案の審議で長時間拘束されるのを、良しとするとは到底思
えないのだ。