[政治]

自民党谷垣禎一総裁は6日、参院選比例代表で立候補を希望している山
崎拓前副総裁と党本部で会談した。谷垣氏は「衆参同日選挙に追い込みた
い。衆院選で戦ってほしい」と翻意を促したが、山崎氏は受け入れず、結
論は出なかった。執行部は、山崎氏ら衆院選で落選した前議員のくら替え
問題を24日の党大会までに決着させたい考えだが、比例代表の候補者選
考が難航していることもあり、対応に苦慮しているのが実情だ。会談後、
山崎氏は記者団に「いずれにしても参院選比例代表に挑戦したい」と述べ、
国民新党への移籍も念頭に自民党を離党することを示唆し、執行部をけん
制した。一方、大島理森幹事長も6日、前衆院議員の保岡興治元法相と党
本部で会談。参院選比例代表での公認は難しいとの意向を伝えたが、保岡
氏は納得しなかった。山崎、保岡両氏はともに党の「70歳定年制」に抵
触し、世代交代を求める中堅・若手議員は公認に強く反発している。半面、
比例代表の公認は現時点で12人にとどまり、人材発掘は進んでいない。
執行部が迷う背景にはこうした事情があり、党内では「最後は総裁が決断
するしかない」という声が強まっている

 

谷垣総裁と山崎氏の会談に先立ち、自民党福岡県連の福岡市7支部長が「
次期参院選比例代表候補に最適任」として要請があったわけだが、73
歳にもなってもまだ議員であり続けたいと思うものなのだろうか。ただ、
副総裁まで務めた大ベテランが国民新党への移籍すらほのめかすあたり、
もはや何でもありの世界なのかもしれない。先の衆院選ではベテラン勢も、
政権交代の大波に巻き込まれて多数落選している。そのまま引退かと思い
きや、一部は未だに未練たらたらの状態のようだ。確かに野党に転落した
自民党から公認で出馬しようとする有望株は少ないだろう。だからと言っ
て、その穴埋めに衆院選で落選したベテランが多数入ってきてしまっては、
大敗した自民党のイメージを引きずり続けることになる。一定以上、確実
に支援団体からの票が見込めるような候補を比例区に配置しつつ、人材発
掘を引き続き進めていく、この方針を決断するだけでも一苦労だろう。前
向きに考えるなら、民主党から出ようとして出られなかった候補の受け皿
として、自民党が位置付けられるよう、通常国会では民主党に可能な限り
打撃を与えていくべきではなかろうか。