[政治]

小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体陸山会」の会計処理を巡る問題で、
東京地検特捜部が昨年3月、陸山会事務所から「先生に4億円を返す」と
記された手書きメモを押収していたことが分かった。04年の土地購入資
金として小沢氏から受領した約4億円を07年に陸山会が小沢氏に戻した
際、事務所関係者が記したとみられる。また、04年に受領した約4億円
陸山会の口座に入金した際、通帳の入金記録の横に「先生」と手書きし
ていたことも判明した。特捜部は、小沢氏の手持ち資金が陸山会との間で
行き来していたことを裏付けるものとみて、任意での事情聴取に応じるよ
う小沢氏側に既に要請している。

 

「公表する必要のないものまで公表している。わたしが一番オープンにし
ている」、そう小沢幹事長は強調してきたはずだったが、現実には不透明
な資金の移動が政治資金収支報告書に記載されておらず、政治資金規正法
違反の疑いが浮上してきている。世田谷区の不動産を購入した際に、当初
は4億円の定期預金を担保に銀行から小沢氏名義で借りた4億円を充てた、
と説明していたわけだが、実際には小沢幹事長の個人資金とみられる約4
億円が複数の関連政治団体を経由するなどして入金されていた。これらの
複雑な資金の流れが何を意味するのか、政治資金のオープンを売り物にす
小沢幹事長から説明を聞きたいものだ。それにしても、これだけ疑惑が
深まる中で、民主党内からは何の声も聞こえてこないのは気のせいだろう
か。小沢幹事長がいかに党内に睨みを利かせているとは言え、こうまで沈
黙する必要があるのか、大いに疑問である。