菅直人副総理兼財務相は10日のNHK番組などで、消費税率引き上げを
含めた今後の財政運営について「この1年は徹底的に財政を見直す。その
上で必要な議論は消費税であろうとやっていく」と表明した。菅氏はこれ
まで、消費増税の議論を早急に進めることに否定的な考えを示していたが、
早ければ2011年度から具体的な議論を始める考えを示したものだ。消
増税に関し、財務相は「議論をすることがだめだとは言っていない」と
強調。さらに「逆立ちしても無駄が出なくなったときに、福祉のために何
らかの財源が必要なのかだ」と述べた。10年度予算案で10兆円超を確
保した特別会計の「埋蔵金」など税外収入については「かなり少なくなっ
ており、今年ほど出ない」と指摘。独立行政法人公益法人などを対象に
無駄な事業の洗い出しにも本格着手する考えを示した。 

 

民主党の主張として「政権を取って今の仕組みを根っこから変えたら、財
源はいくらでも出て来る」というものがあったはずだが、それはいつにな
ったら出て来るものなのだろうか。まずは、あると言い切った財源を提示
した上で、それでも足りないので消費税を引き上げることで、カバーした
いと言うべきではないか。独立行政法人公益法人などの無駄な事業の洗
い出しなどで、果たして我が国が必要とする財源を満たすほどの額を捻り
出せるのか、一度使えば終わりの埋蔵金とは違い、今求められているのは
安定的な財源であろう。鳩山首相も4年間は消費税を上げないと明言して
いたわけだが、消費税を上げる議論そのものは封印していないとも補足し
ていた。参院選が控えていることもあり、議論が始まるとしても、それ以
降だと思われる。先の話とは言え増税を口にすれば、票に影響が出ると小
沢幹事長が横やりを入れてくるのは間違いないからだ。