国会は19日の衆院本会議で、菅直人財務相の財政演説に対し、各党が代
表質問を行い、与野党の論戦がスタートする。自民党大島理森幹事長が
最初に質問に立ち、鳩山由紀夫首相の偽装献金事件や小沢一郎民主党幹事
長の資金管理団体陸山会」の土地購入をめぐる事件を徹底追及する。夏
参院選をにらみ、今国会最大の焦点となった「政治とカネ」の問題で、
与野党は冒頭から全面対決。激しい論戦を繰り広げそうだ。小沢氏の資金
管理団体の土地購入に関する政治資金規正法違反事件で、元秘書の石川知
衆院議員らが逮捕されたことを受け、自民党は勢いづいている。大島氏
は、事件について十分な説明責任を果たそうとしない小沢氏を批判すると
ともに、東京地検特捜部と全面対決する小沢氏を支持した首相の姿勢をた
だす意向。

 

政権交代で誕生した民主党政権は期待が大きかっただけに、その期待が裏
切られたとなれば、一気に反動が襲ってくることだろう。長期わたって政
権政党であった自民党と比べて民主党はクリーンなイメージ、そんな見方
もあるにはあったが、代表と幹事長が政治とカネの問題で追及を受ける政
党がクリーンなイメージを持たれるわけがない。特に小沢幹事長について
自民党よりも自民党らしい政治家とも思える。剛腕と称される小沢幹事
長の力の源とは何か、それが豊富な資金力を意味するのなら、正に田中角
栄元首相を彷彿とさせるではないか。選挙に強い、それだけで人が黙って
付いてくるわけがないのだ。政治とカネの問題では追及され続けてきた自
民党だけに、その攻め方は心得ているだろう。通常国会民主党政権にと
っての正念場となりそうだ。