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平野博文官房長官は27日の記者会見で、政府が永住外国人への地方参政
権付与を検討していることに対し、都道府県知事や地方議会から反対表明
や反対決議採択が相次いでいることについて「自治体のみなさんの決議・
意見は承知していないが、そのことと、この問題とは根本的に違う問題だ」
と述べた。参政権付与法案提出は、地方自治体の意見に左右されないとの
見解を示したものだ。民主党は昨年の衆院選政権公約で「地方主権」の
確立を掲げているが、平野氏は「(この問題)地方主権の考え方とはまっ
たく違う」と指摘。その上で「地方自治体の問題ではなく、わが国に住ん
でいる住民の権利としてどうなのかという概念だ」と主張した。

 

民主党マニフェストに記載しなかったにも関わらず、成立させようと意
気込む永住外国人への地方参政権付与だが、当事者である地方自治体から
反対の声が上がり始めている。地方議会では自民党の勢力が強いこともあ
って、石破茂政調会長永住外国人地方参政権の付与について、地方議
会で反対意見書の採択を働きかけるよう、都道府県連に指示する方針を明
らかにしている。地方自治体が反対の動きを取ることで、民主党をけん制
させようとの狙いなのだろうが、平野官房長官は一顧だにせず、いちいち
地方の声など忖度しないと宣言した。参政権が欲しければ帰化すれば良い、
との正論を前にして、それでも参政権付与を推進しなければならない理由
は何なのか。文字通り国民的議論が必要な話のはずが、数の力で強引に押
し通すつもりではないかと危惧するのだ。「地方自治体の問題ではなく、
わが国に住んでいる住民の権利としてどうなのかという概念だ」と平野官
房長官は語るものの、こんな意識で参政権付与を考えているとすれば、大
いに疑問である。正面突破が出来ると思ったら大間違いだ。