自民党谷垣禎一総裁は28日、党本部で尾辻秀久参院議員会長、谷川秀
参院幹事長と会談し、山崎拓元副総裁と保岡興治元法相、片山虎之助
総務相に対する夏の参院選比例代表の公認を見送ると表明した。尾辻氏ら
も受け入れる考えを示した。山崎氏は同日の山崎派総会で改めて参院選
馬に意欲を示したが、派内にも出馬断念はやむを得ないとの空気が広がっ
ている。山崎派幹部の田野瀬良太郎総務会長や石原伸晃組織運動本部長ら
はこの日、断続的に谷垣氏と会い、山崎氏の比例代表公認を働きかけた。
だが、谷垣氏は尾辻氏らに「70歳定年制という党の内規を守りたい」と
説明、その後の記者会見でも「基本原則を守りたい」と強調した。山崎氏
は派閥総会で、国政復帰への決意を改めて示し、「政界引退」との一部報
道を否定している。

 

今回公認を見送られた3氏は、いずれもベテラン中のベテランで、それぞ
れ比例で出れば、それなりの得票は稼げる候補なのは間違い無いだろう。
それでも谷垣総裁が公認を見送ったのは、単に世代交代を理由としたもの
では無く、ルールを厳格に適用することで、少しでも自民党の変化を有権
者に感じ取ってもらうことであろう。去年の衆院選で大敗したのは、有権
者が自民党と言う政党を見限った、それに尽きる。その代わりとして民主
党に票が集まっただけであり、とりあえず交代させてみた、そんな投票行
動だったのではなかろうか。山崎元副総裁は離党して、国民新党から出馬
するなどと息巻いているようだが、仮に当選したところで、恥をさらすだ
けである。おとなしく引退するか、次期衆院選にて捲土重来をはかるか、
その二者択一である。これ以上、自民党を悩ませても仕方なかろう。