野田佳彦財務副大臣は29日、元秘書らが政治資金規正法違反容疑で逮捕
された小沢一郎民主党幹事長の進退について「参院選で安定政権になるこ
とが一番の大命題。何かの事実があったときには、その大命題に沿った判
断をすることだ」と述べた。元秘書らの起訴など事件が進展し、夏の参院
選への影響が避けられないと判断した場合、辞任を検討すべきだとの考え
を示した発言だ。小沢氏が東京地検特捜部の事情聴取を受けて以降、政府
民主党の有力議員で同氏の進退に言及したのは野田氏が初めて。野田氏
は、鳩山内閣民主党に対する世論の反応について「厳しい局面だ。内閣
支持率で支持と不支持が逆転しただけでなく、支持政党なしの(無党派層
の)ところで(政党支持率が)自民党に逆転されるところも出ている。相
当重く受け止めないといけない」と危機感を示した。

 

小沢幹事長が現在の立場にとどまり続ける限り、闘って下さいと応援した
鳩山首相も同一の存在として認知され続けることだろう。つまり、鳩山政
権の浮き沈みは小沢幹事長の動向によって左右されてしまうということだ。
それだけに野田氏も「(辞めて)責任を取る話の前に(今は説明)責任を
果たす段階だ。その責めをしっかり果たしてもらいたい」と、説明を尽く
すよう求めているのではないか。政治資金で不動産を購入してきたことの
意味が、単に秘書の住む場所を設けるためとはとうてい思えず、さらには
普天間基地の移設先である辺野古に近い、沖縄県宜野座村に広大な土地を
購入していることも明らかになっている。もちろん秘書のためなどでは無
いであろうし、別荘を建てるには広すぎる土地だ。基地利用の需要を見込
んでの購入にしか見えず、疑惑が減るどころか増え続けている。果たして
どのように説明をするのか、小沢幹事長の口から聞きたいものだ。