民主党小沢幹事長資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件が、
小沢氏の肝いりで推進してきた国会改革や永住外国人に地方選挙権を付与
する法案の行方に影を落としている。与党内にはもともと慎重論があった
だけに、事件の推移を見守る空気が強まっている。「この件が片づかない
とな。片づけば、選挙も含め死ぬ気でやる」小沢氏は28日、永住外国人
選挙権付与法案に積極的な同党の川上義博参院議員と国会内で会った際、
悔しげにこう語ったという。逮捕された石川知裕衆院議員は2月4日に拘
置満期を迎える。その後の展開を見極めなければ、積極的には動けないと
いうわけだ。永住外国人への地方選挙権付与は民主党内で賛否が分かれ、
国民新党は強く反対している。それでも政府が政府提出法案として今国会
に提出することを検討しているのは、小沢氏が強く働きかけてきたからだ。

 

小沢幹事長が推進する永住外国人への参政権付与法案だが、全国都道府県
議会議長会では「民主主義の根幹にかかわる問題で、拙速に法案提出や審
議されるべき案件ではない」とする特別決議を採択されるなど、地方から
反対の声が上がり始めている。今すぐ成立させなければならない法案とは
思えず、民主党系の上田清司埼玉県知事の「基地問題など外交、安全にか
かわる話が市長選のテーマになることもある。国の運命を左右する話には、
日本国籍を持った人が投票すべきだ」とあるように、我が国の国籍を持た
ない永住外国人が、安全保障の問題を左右する可能性があるのだ。これら
の反対が要因かは分からないが、民主党としても法案の扱いを棚上げしよ
うという空気が強まっているようだ。推進派も巻き返しをはかるつもりだ
ろうが、今のままでは法案提出は先送りされることだろう。