民主党小沢一郎幹事長は4日夜、元秘書の石川知裕衆院議員らの起訴を
受け、党本部で記者団に対し「参院選に国民の支持を得て、(民主党の単
独)過半数目指して最善を尽くすという自分の任務に全力で努力し、国民
の信頼を取り戻すべく頑張りたい」と述べ、幹事長として夏の参院選準備
に全力を挙げる考えを強調した。石川議員らの逮捕の際に検察との対決を
宣言した自身の発言については「勝利とか敗北とかという問題ではない。
ゼネコンから不正な金をもらったという報道が続いたが、そんなことは一
切ない」と述べ、自らの潔白を重ねて主張した。 

 

結局は元秘書が起訴されたのみで、小沢幹事長自身は「知らぬ存ぜぬ」で
逃げ切ったように見える。その構図そのものが国民の不信を買うのだろう
が、嫌疑不十分とは「クロに近いが、完全なクロでは無くグレー」だった
と言うことだろう。それだけに、小沢幹事長は疑惑を抱えたまま、参院選
での陣頭指揮を取っていかなくてはならないわけだ。民主党にとってはマ
イナスのイメージのように見えるが、選挙に強いとされる小沢幹事長の神
通力が必要と言うことであろうか。小沢幹事長が推進してきた永住外国人
への地方参政権付与法案も、見送りに可能性が高まったが、不起訴となっ
たことで、再び勢いを取り戻すのか。鳩山首相の偽装献金問題にしても「
知らぬ存ぜぬ」で押し通したことで、責任を放棄したに等しい状況である。
襟を正すべき政治家が、正すどころか「知らない」で済ませてしまうのが、
現代日本の宿痾かもしれない。