関西3空港の問題をめぐり、大阪空港廃港を訴える大阪府橋下徹知事は
9日、国土交通省の成長戦略会議で浮上した伊丹空港の国際線復活案など
について「民主党には理念がない」と発言、政府の対応を激しく批判した。
橋下知事は「民主党地域主権を唱えているが、関西のことを知らないメ
ンバーが成長戦略会議で話し合いをしている。1回、空港がある豊中市
も会議をしてもらいたい。会議には地元知事も出席できない。国会議員よ
りも票をもらっているのに…」と怒りが収まらない様子。さらに「民主党
は政権奪取のためのお題目として地域主権を訴えただけなのか。このまま
民主党参院選でも地域主権というのなら、うそ八百だと言うしかない」
参院選の対応にまで言及した。

 

橋下知事衆院選前、民主党マニフェストを酷評し、その後、修正され
マニフェスト地方分権を盛り込ませることに成功し、「首長連合」と
して総選挙で民主党地方分権政策を支持すると表明していた。その際の
記者会見では橋下知事は「国が変わる可能性にかけたい」と述べ、政権交
代を望む立場を鮮明にしたわけだが、支持表明から半年後には再び批判す
る側へと回ることになった。むろん、橋下知事なりのパフォーマンスとも
見て取れるものの、鳩山政権が地域主権に取り組んでいる雰囲気は全く感
じられないのは事実であろう。だからと言って地方の首長が政権与党と付
き合わないわけにはいかず、橋下知事としても悩ましいところであろう。
そして、民主党の八方美人的な政策は、今に始まったことでは無く、今後
も続くことを覚悟せねばならない。かつてマニフェストを修正させたほど
の勢いを、今の首長連合が持っているとは思えないのだ。