朝日新聞社は10日付の朝刊で、大分、佐賀両県で発行している夕刊を3月
31日付で廃止するとの社告を掲載した。4月以降は、これまで夕刊に掲載
している記事やコラムを朝刊に盛り込み「新しい形の朝刊を発行する」とし
ている。両県での夕刊廃止の理由については「県内の読者のライフスタイル
や要望の変化に伴い、朝刊にその日のニュースを網羅することにした」と説
明している。日本ABC協会の調べでは、同社の両県での夕刊発行部数は昨
年12月現在、大分4679部、佐賀765部。前年同月に比べ大分で22
6部、佐賀で83部それぞれ減少している。

 

読者のライフスタイルや要望の変化を廃止の理由としているが、これは大分、
佐賀に限った話では無いだろう。夕刊が配達される前に、インターネットや
テレビで情報を入手出来るわけで、わざわざ夕刊を読む必要が無くなってき
ているのだ。おそらく影響が少ないであろう県として、この両県が選ばれた
のではなかろうか。夕刊を廃止する地方紙も相次いでおり、夕刊そのものの
存在意義が問われている。景気後退は広告収入を激減させ、新聞社の経営を
圧迫しているが、景気が回復したところで、新聞に広告が戻ってくるのかと
言えばそうでもない。小規模な夕刊を切っても、その効果には限度がある。
他の全国紙でも同じような動きが出てくることだろう。