民主党小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる収支報告書虚
偽記載事件で、政治資金規正法違反の罪で起訴された衆院議員、石川知裕
被告は12日に離党届を提出する。野党などから政治責任を問われている
小沢氏は石川議員の離党を容認する一方で、自身は幹事長を辞任せず、国
会招致の要求にも応じない構えだ。だが、石川議員の離党だけで事件の幕
を引くことについて、世論や野党が納得する可能性は小さく、小沢氏の「
政治とカネ」の問題が今後も尾を引くことは確実だ。石川議員は10日、
世論の批判や平成22年度予算案審議への影響を念頭に「責任をとりたい。
みんなにこれ以上迷惑をかけたくない」と、離党の意向を党関係者に伝え
た。だが、衆院議員の職にはとどまる考えだ。

 

石川氏が離党で片付けられるとは、何とも煮え切らない結果ではないか。本
来なら辞職すべきことのはずだが、公職選挙法では、3月15日までに現職
議員が辞職または失職すると「4月13日告示、同25日投開票」の補選が
行われることになり、もともと「中川王国」として知られる北海道11区は
自民党の牙城であった。亡くなった中川昭一氏に代わる人材を立てれば、逆
風下にある民主党の候補が当選するのは難しいだろう。そうなると参院選
陣頭指揮を執る小沢幹事長の戦略に影響しかねない、つまり辞職をさせるに
しても3月15日以降を考えているのではないか。党利党略のために、離党
で済ませようとは、有権者の理解を得られるわけもなく、居直りを続ける小
沢幹事長への反発は強まることだろう。民主党内から疑問の声が何故上がら
ないのか、非常に残念である。