民主党小林千代美衆院議員陣営の選挙違反事件に絡み、小林氏側が、日
本教職員組合傘下の北海道教職員組合側から1千万円を超える裏金を受け
取り、選挙費用に充てていた疑いのあることが14日、関係者への取材で
分かった。札幌地検は、政治家個人への企業・団体献金を禁じた政治資金
規正法違反や、選挙費用の収支報告を義務付けた公職選挙法違反の疑いが
強いとみて、小林氏側の立件を視野に詰めの捜査を進めているもようだ。
民主党にとっては鳩山由紀夫首相と小沢一郎幹事長の秘書らによる規正法
違反事件に続く「政治とカネ」をめぐる問題として批判が起こりそうだ。
関係者によると、小林氏側は昨年8月30日に投開票が行われた衆院選
選挙費用として、北教組側から1千万円を超える裏金を受け取った疑いが
あるという。

 

小林氏は、昨夏の衆院選では北海道5区において、自民党の重鎮である町
村信孝元官房長官を破り、2期目を務めている。だが、小林陣営で選挙違
反が発覚し、陣営の幹部に対して札幌地裁は今月12日、懲役2年・執行
猶予5年の有罪判決を言い渡している。判決後、「職責を全力で全うした
い」と述べた。離党、辞職については裁判が確定していないとして、「ま
だ判断できる状況ではない」と小林氏は記者会見で発言したものの、今度
は裏金の疑惑まで浮上したことで、厳しい立場に追い込まれている。「(
裏金受領は)存じていない。お金の処理は法にのっとって行っていると思
っている」と否定しているが、捜査が進むことで新たな事実が見えてくる
ことだろう。政治とカネの問題が、鳩山首相の御膝元である北海道でも起
きたことで、民主党に対する不信感は増すばかりだ。対応を誤れば、民主
党が受ける打撃は少なくないだろう。