同じ旧社会党に源流を持つ社民党新社会党が、参院比例選への“共通”
候補擁立を検討していることが分かった。関係者が20日明らかにした。
具体的には新社会党原和美副委員長が社民党に入党し、社民党公認と
して出馬する方向だ。新社会党は旧社会党内の最左派勢力で結党された
経緯があり、連立与党内にきしみが生じる可能性もありそうだ。原氏の
擁立構想は、社民党支持の市民団体が同党に持ちかけた。社民党内では
積極論の一方、連立を組む民主党保守系国民新党新社会党の影響
力を嫌うとした慎重論も根強い。新社会党は、村山政権当時の社会党
自衛隊日米安全保障条約を容認したことなどに反発した衆参5人の議
員が離党し、1996年に結成。現在、国会議員はおらず、政党助成法
の政党要件を満たしていない。全国で100人超の地方議員がいる。

 

事実上、壊滅同然の社民党であるが、それでも連立与党として民主党
振り回しているのは、別に実力があるからでは無い。連立の枠組みを壊
したくない民主党側の事情によって、生かされているに過ぎないのだが、
参院選では新社会党と言う政党要件すら満たしていない団体と組まなく
てはならないとは、その台所事情は厳しいように思える。社民党らしさ
を出せば出すほど、連立与党の中では浮いてしまうし、らしさを出さな
ければ数少ない支持者が離れていく、そんなジレンマに捉われているの
ではないか。ただでさえ、参院選後の連立与党の枠組みが維持されるか
の保証が無い中で、いかにして政界で生き残っていくか。それが新社会
党と組むこととは思えないが、社民党の苦悩は続いていくことだろう。