[政治]

鳩山由紀夫首相は22日夕、「平成の脱税王」と批判された自身の政治資
金問題について「税金を払っていなかったわけではない。税金を払ってい
なかったこと自体、全く知らなかったことで、その事実が分かった瞬間に、
納税の義務を果たしてきたつもりだ」と述べ、改めて故意の脱税ではなか
ったと強調した。首相はその上で「やはり、納税の義務は当然、果たさな
ければならない。その思いは、国民の皆さんにももっと伝える必要があろ
うかと思う」と述べ、さらに説明責任を果たしていく考えを示した。「税
金を払っていなかった首相を、税金で支える国民の気持ちをどのように理
解するか」との記者団の質問に答えた。首相は母親から7年間で約12億
6千万円の資金提供を受けながら申告せず、東京地検による元秘書らの起
訴を受け、昨年末に約5億7500万円を納付した。

 

知らなかったのだから脱税では無い、国民からすれば何とも溜め息の出る
言い訳ではないか。その理由は、首相とは税金を集める総元締めであり、
知らなかったで済む話では無いからだ。母親からの資金提供と言う名の「
贈与」は何年にも渡って続けられ、7年間で総額約12億6千万円を受け
取っていたわけだが、税法上の時効が5年のため平成16年より前の資金
提供については、贈与と認定されても追徴課税されることは無かった。こ
れが許されるのなら、何のために真面目に税金を納めているのか、そんな
声が出てくるのも当然である。鳩山首相は資金提供について「何度も言っ
ているように、全く知らなかった」としつつ「その事実が分かった瞬間に、
すべて納税の義務を果たしたつもりだ」と強調したが、この説明に納得出
来る納税者はいないだろう。時効分は結果的に脱税したことになる以上、
脱税総理の誹りは免れない。