社民党阿部知子政審会長は25日、米軍普天間飛行場の移設案として、
米領グアムなどに全面移転する「国外移設案」や、国外移設までの期限
付きで九州北部の既存自衛隊基地などに分散移転する「暫定県外移設案」
など3案をまとめた。3月上旬にも開かれる政府・与党の沖縄基地問題
検討委員会に「私案」として示し、最終調整に臨む。国外移設案の移設
先には、グアム島や米自治北マリアナ連邦テニアン島などを想定す
る。だが短期間での全面移設は困難との指摘もあり、まず海兵隊部隊の
拠点を沖縄からグアムに移し、巡回訓練先を本土で受け入れる案を第2
候補とする。さらに第3案として、期限付きで九州北部の既存自衛隊
地などに暫定移転する案も加えた。

 

普天間基地の国外移設を主張し続けるのは、民主党国民新党との距離
が開き過ぎると判断したのか、社民党は九州への移設案を提示すること
となった。追い込まれての代替案など、誰も評価はしないであろうし、
むしろ軽くあしらわれるだけであろう。社民党案に書かれた関係の地方
県連では反対論が根強く、あくまで「私案」と位置付ける羽目になって
おり、ますます意味の分からないものとなりそうだ。民主党はキャンプ
シュワブの沖合では無く、陸上部への移設を非公式ながら提示するなど、
徐々に現実路線に舵を切っているのに対し、社民党は中途半端な案しか
出せない上に、さらに党内事情で「私案」に押しとどめたことで、完全
に主導権を失った。この問題に関しては、社民党がどのような主張をし
ようが、現実路線をとれない以上は、結果は見えていた。社民党が社民
党であり続けたことによる、迷走に尽きる。