自民党谷垣禎一総裁は2日夜、舛添要一厚生労働相が1日の講演で政
党支持率の低迷を踏まえて「党内の賢明な政治家が、谷垣氏に辞任を促す
方向に行くだろう」と参院選前の「谷垣降ろし」に言及したことに対し、
「前の衆院選でも党内で争っている姿が支持率を落とした。参院選を前に
して団結していくことが一番大事だ」と反論した。同時に「いろんな議論
があるなら、党内でそれぞれの場で議論していただくことが必要だ」と不
満は党の場で訴えるべきだと苦言を呈した。国会で記者団の質問に答えた。

 

谷垣体制になってから日も浅いと言うのに、谷垣降ろしとは国民の理解が
得られないだろう。確かに自民党は去年の衆院選の大敗から、立ち直って
いるとは言い難いが、誰が総裁になっていても状況は大して変わらなかっ
たはずだ。舛添前厚労相が如何に谷垣降ろしを吹聴したところで、国民の
人気はともかくとして、民主党でも無く自民党でも無い第三極を党を飛び
出してまで形成するには、よほどの覚悟が無ければ出来ない。つまり、舛
添氏がトップに立つには、自民党と言う枠組みの中で、ある程度の勢力を
持ち、トップを狙う必要がある。人気があろうとも、野党の立場では声だ
けで上げても誰もついてこないだろう。舛添氏は「党内の賢明な政治家」
と言うものの、谷垣体制を壊すこと自体が賢明だとは思えないのだ。民主
党が「政治とカネ」の問題で躓く中で、それを追い風に出来ない理由は何
か。自民党はそれを良く考えるべきではなかろうか。