参院選マニフェストの策定方法をめぐり、民主党内で小沢一郎幹事長が
一元的に権限を握る方式に反発がやまない。政策調査会を復活させて国会
議員全員がマニフェストの策定にかかわれるよう求める安住淳衆院安全保
障委員長や生方幸夫副幹事長らは4日、「政調の設置を目指す会」を設立
し、41人の国会議員が集まった。「民主党らしさをもう一回取り戻そう
と思っている人が多い。政策をやりたいというエネルギーがないと政党は
根が枯れる」。安住氏は会合後、記者団に強調し、マニフェスト策定には
政調の復活が不可欠だと強調した。会合には、小沢氏と距離を置く玄葉光
一郎衆院財務金融委員長や小宮山洋子衆院議員らが参加。政府からも田村
謙治内閣政務官が出席。鳩山由紀夫首相や小沢氏に改めて政調の復活を申
し入れることを確認した。首相と小沢氏は2日に首相官邸マニフェスト
策定について協議。3月中にも政府と党による協議機関を始動させる。党
側は細野豪志組織・企業団体委員長ら幹事長室が中心となる見通しだ。

 

国会議員でありながら、党の政策に関与出来ない。これでは単なる採決要
員であって、国会議員としての役割を果たしているとは言えないだろう。
昨年の衆院選で大量に当選した一年生議員はともかく、小沢幹事長と距離
を置いているような中堅どころの議員にとって、政策を考えても、それを
容易には実現出来ないハードルが、自分の所属する党にあるのでは、さす
がに鬱憤がたまるのではないか。小沢幹事長の考えとしては、政府と与党
が一体化すれば、党の政策立案機能はいらない、と言うことらしいが、全
員が全員、政府に入るわけでは無く、入れなかった議員は採決要員と化し
てしまう。「一般の議員が活発に議論できるのが民主党らしさだ」「参院
選のマニフェストの作成に多くの議員が参加し、闊達な議論をする姿を見
せないと、選挙戦を戦えない」などの意見が相次いでおり、党内を抑え込
んでいる小沢幹事長に対して、ようやく不満の声が上がり始めている。こ
れが、即党内対立を意味するわけではないだろうが、不満をどう解消して
いくかは注目である。