自民党の大島幹事長は6日午前、那覇市で開かれた党沖縄県連大会であい
さつし、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題に関連し、鳩山首相が断言し
ている「5月決着」が実現しない場合、首相に退陣を求める考えを表明し
た。大島氏は「鳩山首相は3月に結論を出し、5月に決着すると言った。
移設先と沖縄県民、米国の了解を得る三つの方程式を解くのはかなり困難
だ」と指摘。そのうえで、「それを作ってきたのは鳩山政権だ。だから、
できなかったら、即刻退陣してもらおう」と述べた。普天間問題の解決を
めぐり、自民党幹部が首相退陣を求める考えを明言したのは初めて。大島
氏はこの後、「沖縄県民、国民の安全保障と、日米外交の信頼問題を考え
れば、首相の言うような形にできなければ、退陣に値する」と強調した。

 

5月末に普天間基地の移設問題が解決出来なかった場合に退陣するかと問
われた鳩山首相は「当然のことながら、1つ、1つの政策の実現に向けて
覚悟を持って臨む。当たり前の話だ」と語ったものの、これでは何の答え
にはなっていないのは明らかだ。現行の移設案を否定し、沖縄の基地負担
を減らすと言っておきながら、移設先を見付けられないまま、ただただ時
間が過ぎてしまい、自公政権下で合意されていた移設予定先の名護市長選
では反対派が勝利し、鳩山政権はかなり苦しい立場に立たされたわけだ。
ここで何が問題なのかと言えば、県外移設が有り得ると沖縄、特に名護市
の市民に期待を持たせてしまったことである。しかし、現行案のキャンプ
・シュワブ沿岸部では無く陸上部への移設案を、水面下では提案したりと、
場当たり的な解決策を見出そうとしている。陸上部に滑走路を建設するに
は内陸部の山を大きく切り崩す必要があり、赤土の流出など環境への負荷
が大きいとされ、何の解決策にはならない可能性が強いだろう。5月末ま
でにどのような結論を出すかによって、鳩山政権の命数が決まる。