政府筋は6日夜、当面の政局に関して「7月の前後に必ず内閣改造がある
」と述べ、鳩山由紀夫首相が夏の参院選前にも内閣改造に踏み切るとの見
方を示した。鳩山内閣の支持率は、首相自身や小沢一郎民主党幹事長の政
治資金問題が響いて下落に歯止めが掛からず、政府・民主党内では参院選
への危機感が強まっている。政府筋の発言は、首相が改造により人心一新
を印象付け、態勢を立て直した上で参院選に臨むこともあり得るとの考え
を示したものだ。

 

民主党はその生い立ちからして、元自民党、元社会党と言った旧来の政党
を飛び出した勢力が作った政党だけに、現在の執行部や閣僚はベテランや
中堅の議員が務めており、その下となると当選回数も2、3回の若手が多
いのが特徴である。鳩山政権が発足した時もサプライズも無く、無難な人
事となったのは、単に人材がいなかったため、ベテラン・中堅の議員を当
てはめた結果、あのような顔ぶれになったに過ぎないのだ。本来、政治主
導を標榜するには、少なくとも重要閣僚は「一内閣一閣僚」というぐらい
の体制で臨むべきであり、支持率が低迷しているからと言って、閣僚の顔
を挿げ替えるのは得策ではない。それでも内閣改造をするのなら、それな
りの理由が必要となるだろう。鳩山首相がどのような理由を付けて内閣改
造に踏み切るのか、その辺だけは注目したいところだ。