[政治]

北沢俊美防衛相は7日、長野県茅野市で開かれた民主党衆院議員の会合で、
米軍普天間飛行場の移設問題解決のため、自民党与野党協議を呼び掛け
るとともに、県内移設の可能性をあらためて示唆した。北沢氏は普天間
題について「自民党は政争の具にするのではなく、5月末の決着に向け、
一緒に考える国士的な思いがあっていい」と表明。同時に、日米両政府が
2006年に合意した在日米軍再編のロードマップに触れ「ロードマップ
に載っていないが、沖縄が解決してほしいと要望する課題がいくつかある」
と指摘。「こうした問題を政府が解決する意思を見せることによって、代
替案を受け入れていただける地域に安心感をつくるような形にしなければ
いけない」と述べた。

 

普天間基地の問題は鳩山政権を揺るがすどころか、戻るに戻れない袋小路
に突入してしまった。北沢防衛相の発言にある「自民党も一緒に考えて欲
しい」は今さら何を言っているのか、と失笑してしまう。自公政権でキャ
ンプ・シュワブの沖合いへの移設が決定していたものを、民主党は何の見
通しも無いまま県外・国外を衆院選で掲げ、沖縄県内の全選挙区において
自公系の候補を破った。民意を考えるなら、県外・国外への移設が求めら
れているのだろうが、県外はもとより、国外への移設は非常にハードルが
高い。鳩山首相は「ゼロベースで今日までやってきたわけだから、政府案
をまとめていく過程で米国にも、特に沖縄県民にも理解を求めていく。そ
ういった理解が得られる案に作り上げていく」と主張するものの、もはや
信頼を得るのは難しいのではないか。5月末までにどのような決断をする
のか、国内外から注目を集めている。