民主党小林千代美衆院議員が、北海道教職員組合側による陣営に対する
不正資金提供事件の責任を取り、議員辞職する意向を党関係者に伝えてい
ることが16日、分かった。党関係者が明らかにした。小林氏はこの日、
国会内で記者団に辞職を否定したが、近く執行部と調整に入る。事件に絡
んで逮捕され22日に拘置期限を迎える北教組委員長代理の長田秀樹容疑
者ら4人の処分を待って最終判断する。早ければ2010年度予算成立後
の3月下旬にも辞職する。ずれ込んでも今国会中に辞職すれば衆院北海道
5区の補欠選挙は夏の参院選と同時になる。民主党では、小沢一郎幹事長
資金管理団体に絡む収支報告書虚偽記入事件で逮捕、起訴された石川知
衆院議員が先月、離党。これに続く「政治とカネ」をめぐる議員辞職は、
鳩山政権に打撃となることは確実だ。

 

小林氏は補選を先送りにするために、辞職の判断を遅らせていたとしか思
えない。むろん、本人の考えでは無く、それは別の誰かによる指示なのだ
ろうが、逮捕された小林陣営の4人は黙秘を続けており、新たな事実が分
かったわけではあるまい。第一、小林氏は4人が逮捕された際に、議員辞
職など今後の進退については「(逮捕事実の)内容をしっかりと確認する
のが先だろうと思う」と自らの口で語ったではないか。政治とカネの問題
民主党が揺れ動く中、やはり「知らなかった」で済ませる風潮を何とか
すべきであろう。鳩山首相と言い、小沢幹事長と言い、権力の絶頂にある
二人が「知らぬ存ぜぬ」で逃げおおせたのは、国民感情からすれば納得は
いかないのだ。そんな感情を意図的に無視しているのか分からないが、今
回の小林氏の議員辞職が先延ばしされたのも、党利党略が透けて見える。
それを隠し通せるほど、国民の目は曇っていないことを、そろそろ認識す
べきではなかろうか。