鳩山由紀夫首相は17日夜、3月中のとりまとめを公言してきた米軍普天
間飛行場移設先の政府案に関し、「交渉に影響するので公表するかは慎重
に考えないといけない」と述べ、決定後もしばらく公表しない考えを表明
した。実際には政府案決定が4月にずれ込む公算が大きくなっており、「
非公表」にすることで「先送り」批判をかわす狙いがあるとみられる。首
相官邸で記者団に語った。首相は、カナダで29、30の両日に開かれる
主要国外相会合に合わせた日米外相会談で政府案を提示する可能性につい
て「私が諮る話ではない」と否定。平野博文官房長官も17日の記者会見
で「今の状況ではならない。政府のベース案がそこでしっかりしたものに
はならない」と説明した。

 

ひたすら先送りになっている普天間基地の移設問題。鳩山政権がいつかは
解決しなくてはならない問題のはずだ。鳩山首相も「3月過ぎても決まら
ないというようなことでは最終的に時間が足りなくなる。当然、3月中の
いずれかの時点では政府の考え方をまとめなければいけない」と語り、3
月中の政府案決定を公言していた。ただ、政府案を非公表にしたところで、
先送りの姿勢は変わらないのではないか。米国は現行案のキャンプ・シュ
ワブ沖沿岸への移設を求めているのに対して、どのような代替案を提示出
来るのか、鳩山首相指導力が問われている今だからこそ、考えをまとめ
るべきだった。それにしても、オバマ大統領に「トラストミー」とまで言
い切った自信は何処にあったのだろうか。今となっては、大きな禍根を残
す発言だったのは間違い無い。