鳩山由紀夫首相は21日、沖縄県の米軍普天間基地移設問題で、米政府が
キャンプ・シュワブ沿岸部に移す現行案の履行か、普天間の継続使用を求
める方針であることに関し「米国は現行案がベストだと思っていると思う
が、それだけにはとらわれない幅広い考え方を持ち合わせていると思う」
と述べた。都内で記者団の質問に答えた。同時に「すべてはこれから理解
を求める作業だから、まだスタートもしていない状況だ」と強調。「日米
同盟関係の中で抑止力を満たすために必要な基地の展開だから、その中で
我々の考え方をこれからまとめて、米国の理解を求められるよう努力する」
と語った。

 

普天間基地の移設は国外どころか県外も難しい、その状況に追い込まれる
まで鳩山首相は何も気付かなかったのだろうか。岡田外相は普天間基地
移設問題について「去年の衆議院選挙の際に、鳩山総理大臣が『県外、国
外』と発言したのは事実だが、民主党政権公約にはそうした表現は盛り
込んでいない」と言い切り、県外移設を信じて民主党に投じた沖縄県民に
とって、背任行為に映ったことだろう。そんな中で鳩山首相防衛大学校
の卒業式で今後の安全保障政策について「日米同盟を基軸として自らの防
衛に努めてきた。その方針は鳩山内閣においても揺るぎなく継続する」と
強調したあたり、宇宙人と自称するのも伊達では無いと感じてしまった。
自ら問題を複雑化しておきながら、揺るぎなく継続するなどと良く言えた
ものだ。交渉とは相手があってのことである、今のままでは移設は頓挫す
ることだろう。