[政治]

民主党小沢一郎幹事長は23日午後、国会内で副幹事長解任が決まって
いた生方幸夫衆院議員と会談し、「続けてくれないか。もう一度補佐して
ほしい」と述べ、続投を求めた。生方氏はこれに応じた。民主党は同日の
役員会と常任幹事会で解任を正式に決定することにしていたが、党内外か
ら「言論封殺」と批判が高まったため急きょ、方針を撤回した。生方氏は、
17日付の産経新聞のインタビューで小沢一郎幹事長の党運営について「
中央集権的だ。権限と財源をどなたか1人が握っている」などと批判。こ
れを理由に高嶋良充筆頭副幹事長が生方氏に辞表を提出するよう求めると
同時に解任の方針を決定。小沢氏もこれを了承し、すでに後任として辻恵
衆院議員の就任も内定していた。

 

方針を撤回したからと言って、それは場当たり的な対応に過ぎず、少なく
とも褒められた対応で無いのは確かである。党内外から批判されたから解
任を取り消す、解任とはそんなに軽いものなのだろうか。今回の解任は、
小沢幹事長の意を酌んだつもりの側近の進言によるものだったにせよ、小
沢幹事長が解任と判断したことは間違い無い。生方氏は党執行部に対して
倫理委員会を開催して説明の機会を設けるよう求める要望書を提出するな
ど、抵抗する構えを見せていたため、これ以上党内でゴタゴタを起こされ
るよりは、解任を撤回して事態の鎮静化を図ったとも見て取れる。いずれ
にせよ、言論封殺とまで批判された民主党の体質が変わったわけではある
まい。誰も得をしなかったばかりか、大損をしただけの騒動であった。