鳩山由紀夫首相は24日午前の参院予算委員会で、米軍普天間飛行場の移
転問題について、「決して県外をあきらめている状況ではない。選択肢に
含まれている」と述べた。首相は23日夜、平野博文官房長官ら関係閣僚
と移設問題を協議したが、基地機能の分散移転先として鹿児島県・徳之島
も含まれていることを認めた格好だ。また、首相は「普天間飛行場の全面
返還も選択肢の一つだ」とも語った。舛添要一氏の質問に答えた。一方、
社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は「社民党沖縄県内に新た
に基地を作ることに明確に反対だ」と述べた。鳩山政権が県内移設に決め
た場合の閣僚としての対応については「社民党百パーセントの政権ではな
い」と明言を避けた。

 

移転先として県外を含めて考えるのは構わないが、きちんと根回しは出来
ているのだろうか。いざ、政府案としてテーブルの俎上に乗せたのは良い
が、地元の猛反発を受けて、いきなり撤回するような醜態は晒して欲しく
は無い。誰にでも良い顔をしたい鳩山首相にとって、普天間基地の移設問
題は袋小路どころか、出ようにも出られない迷路となっている。今となっ
ては現行案を維持しておくべきだったと後悔していることだろうが、首相
自ら5月末までには結論を出すと宣言してしまった以上、代替案を事前に
提示する時期は迫ってきている。偽装献金問題の時のように「知らぬ存ぜ
ぬ」で、逃げ切れるような問題では無く、いつかは必ず結論を出さなくて
はならない。政権交代から半年以上が経ち、それだけの時間がありながら
非現実的な代替案を出せば、米国だけで無く国民の信頼そのものを失うこ
とになるだろう。