亀井静香郵政改革・金融相は25日朝、自らが24日に発表した郵政改革
法案の骨子に閣内から異論が出ていることについて、「私は鳩山由紀夫
相に了承されたから発表した。もう決めていることだ」と反論した。ただ、
「今後、閣内であろうと閣外であろうと、いい意見なら全部聞く」と微修
正に含みも残した。都内で記者団に語った。改革法案の骨子については2
4日、首相が「これから閣内で議論する必要がある」と指摘したほか仙谷
由人国家戦略相もゆうちょ銀行の預入限度額引き上げなどに疑問を呈した。

 

郵政改革法案はゆうちょ銀行の預け入れ限度額1000万円から2000
万円に引き上げ、かんぽ生命保険の加入限度額1300万円を2500万
円に引き上げる、としている。また、郵政グループ内の取引にかかる消費
税についても「免除が当然」としたことで、菅財務相が「そうは承知して
いない」と反論するなど、この法案については鳩山内閣の足並みは揃って
いない状態だ。さらに郵政グループの非正規社員の半数近い約10万人の
正社員化を目指す方針も表明しており、ただでさえ大きい郵政グループが、
政府の手によって肥大化させられようとしている。限度額を引き上げるの
も、政府が後ろ盾のゆうちょ銀行に預金を集めさせて、それをどう運用す
るのかが見えてこない。単に国債の引受先としか見ていないのなら、郵政
改革とは名ばかりの法案だろう。