自民党は5日夕、臨時役員会を開き、夏の参院選に向けた態勢強化策の骨
格を決めた。幹事長代理に河野太郎国際局長を起用するほか、雇用・景気
対策、外交など14分野で政策を発信していく政権力委員会を新設するの
が目玉だ。同委員会は党の選挙対策本部長の直属機関とし、責任者には中
堅・若手を充てる方針。週内にも関連人事を決め、同委員会を含む新しい
選挙対策本部を発足させる。幹事長を補佐する要職である幹事長代理への
河野氏の起用は、執行部に批判的な同氏を取り込むことで、中堅・若手か
ら出ている執行部刷新要求などを沈静化させる狙いがある。河野氏は受諾
する考えだ。政権力委員会は英国の「シャドーキャビネット」にあたるも
ので、若手を中心に党内で設置を望む声が強かった。参院選後に、党常設
の機関とするかどうかを検討する。

 

離党者が相次ぐ自民党だが参院選で敗北すれば、立ち直るには相当な時間
を要するだろう。それだけに危機感を持って欲しいものだが、長らく政権
政党に君臨しただけに、未だに与党癖が抜けない節がある。与謝野氏のよ
うに、新党結成を目的に飛び出した議員はともかくとして、選挙区が盤石
では無い中堅や若手の議員にとって、危機感を持たない執行部を突き上げ
るくらいしかやることは無い。谷垣総裁は執行部刷新については「既存の
執行部をいじるわけではない」と否定したものの、今のままでは参院選
負けないまでも、勝つには至らないだろう。谷垣執行部に足りないのは発
信力ではないかと、つくづく思う。野党に転落した自民党を取り上げるメ
ディアは少なく、離党と言ったネガティブな話題でしか注目を集めないの
は大きな損失だ。今の自民党が何をしたいのか、それを発信していくこと
で、多少なりとも耳目を集めるのではなかろうか。