[政治］

平沼赳夫元経済産業相と与謝野馨元財務相らが結成する新党の名称が「た
ちあがれ日本」となることがわかった。代表となる予定の平沼氏が７日、
記者団に明らかにした。石原慎太郎・東京都知事の命名という。平沼氏は
新党への参加について、自民党参院議員の中山恭子・元拉致問題担当首相
補佐官や中川義雄・元内閣府副大臣に打診したと述べ、中川氏については
「賛同してくれていると思う」と説明した。ただ、中山氏は７日、新党参
加について記者団に「全く考えていません」と語った。参加が取りざたさ
れていた鴻池祥肇元防災担当相も同日、「平沼さんと一緒に進もうと思っ
たが、理念や国家観が違う方と一緒にできない」と記者団に述べ、平沼氏
に不参加の考えを伝えたことを明らかにした。与謝野氏が郵政民営化を進
め、平沼氏の保守主義とも距離を置くことなどが理由とみられる。

党名が決まり新党の形が見え始めてきたが、平沼氏と与謝野氏の水と油の
ような組み合わせが、参加しようと考えていた議員に影響を与えているよ
うだ。かつて平沼氏と同じ派閥に属していた亀井金融相は「平沼氏は郵政
民営化反対と消費税上げ反対で私と同一歩調をとり、積極財政派でもあっ
た。財政規律派といわれる与謝野氏と逆に近い立場だ。２人が手を組んで
私はキョトンとしている」と評したように、違和感を憶える組み合わせな
のは確かだろう。政治理念をそれぞれが持つのは当然だが、ある程度近い
ものを持ち合わせた同士が、政党なりグループを結成するものではないか。
平沼氏と与謝野氏を両輪となっても、混迷を極める我が国の政治状況が打
破出来るとは思えないのだ。理念や国家観が違うまま合流したところで、
良い方向に進むわけが無い。参加が取りざたされた議員が躊躇するのも無
理は無いだろう。