下落が続く鳩山内閣の支持率が、ついに「3割割れ」し、「危険水域」に
突入した。地方の首長選でも連戦連敗を喫し、内部からも反乱の兆しすら
出てきた。だが、鳩山首相本人は「改革の方向は絶対間違っていない」と、
具体的な対応策を打ち出す様子はない。日本テレビ系のNNNが4月9日
から11日にかけて行った電話調査世論調査の結果によると、鳩山内閣
支持率は前回調査を7.6ポイント下回る28.6%で、初めて3割を割
り込んだ。支持率が2割台に落ち込むと、一般的には退陣が近い「危険水
域」に突入したとされる。さらに、4月11日投開票の複数の首長選でも、
与党が支持する候補が続々と敗れている。

 

ついに鳩山政権の支持率が2割台に突入してしまった。政権発足から一年
も経たないうちに、ここまで追い込まれたのは何故か。昨年の総選挙の際
民主党が掲げる公約の財源が不明な点について、自民党公明党から執
拗な攻撃を受けたわけだが、いざ政権を奪取してみると公約の実現どころ
では無く、前言撤回が相次いだ。むろん税収が大幅に減ったこともあるに
しても、公約とは有権者との約束であり、内容を考慮した上で投票するこ
とを考えれば、下の根も乾かないうちに反故にされたのでは、誰もが腹を
立てることだろう。地方の首長選では与党推薦の候補が野党推薦の候補に
立て続けに敗北しており、民主党政権への不信が地方からも沸き起こって
いる。こうなると鳩山首相の顔を挿げ替えたところで、今までの自民党
権と何ら変わらないと、かえって民主党政党支持率が低下するのではな
いか。支持率の浮揚策はそう簡単にあるわけでもなく、参院選での単独過
半数は厳しくなってきた。自民党から離反した業界団体も、是々非々を建
前にして当たり障りのない支援をするのではなかろうか。