キャンベル米国務次官補は14日、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に
関し、「日本政府は国内の政治情勢と米軍の運用上の要求の双方に合致す
るよう注意深く代替案を作らなければならない。日本側から受け取ったの
はアイデアにすぎず、まだ正式な提案は受けていないと言うのが適切だ」
と述べた。同県名護市のキャンプ・シュワブ陸上部にヘリコプター離着陸
帯を建設し、鹿児島県徳之島へのヘリ部隊の一部移転と組み合わせる日本
側の案について、地元の反対や海兵隊の運用への支障を理由に受け入れら
れないとの立場を示したものだ。ワシントン市内で記者団の質問に答えた。 

 

米国側が政府案がアイデアレベルに過ぎないと斬って捨てたのは、これま
での鳩山政権の対応を考えれば仕方の無いことだろう。第一、移設候補地
の反発が強まっている中で、5月末までに代替案として決定するのは無理
がある。しかし米国側が希望する現行案も、名護市長選で移設反対派が勝
利したことで、難しい状況にある。鳩山首相衆院選の際に普天間基地
ついて「最低でも県外移設が期待される」と言明したのが尾を引いている
は明らかだ。マニフェストには県外移設とは記載していないと言うものの、
かなり苦しい言い訳である。それにしても鳩山首相党首討論で発言した
「腹案」=「政府案」なのか、中身が分からないだけに、移設候補地にと
っては不安だけが募る。交渉事にだけに秘密にしておきたいのも分からな
いでもないが、このままでは、いざ政府案が固まったとしても、地元の理
解を得るのは極めて難しいだろう。