[政治]

米軍普天間飛行場移設問題で、政府が米軍キャンプ・シュワブの南方沖の
浅瀬に滑走路を建設する「浅瀬案」を検討、米側に提案する方向であるこ
とが16日、分かった。政府が検討してきたシュワブ陸上案と鹿児島県・
徳之島を組み合わせる移設案は、米政府や地元自治体が難色。米側の理解
を得られそうな浅瀬案での事態打開を模索するが、「公約違反」である上
社民党の反発は必至で、与党内調整は難航しそうだ。浅瀬案は、辺野古
沖の浅瀬を埋め立てて1500メートル規模の滑走路を建設する案だ。か
つて米側の主張をもとに日米両政府で検討したが、断念した。今でも米側
が容認する可能性が高く、現行案などに比べ工費が安価だとされる。ヘリ
が住宅地の上空を飛ばず、騒音問題や危険性を回避できるメリットがある。

 

鳩山首相が県外移設にこだわり過ぎたことで、回りまわって名護市のキャ
ンプ・シュワブ沖が再び候補地になるとは、何たる皮肉であろうか。ただ
し、移設反対派の名護市長が誕生したことにより、そう簡単にまとまる話
ではないだろう。そうなると、5月末の決着など夢のまた夢である。見通
しの甘さ、そして口の軽さが災いした結果に過ぎない。これが鳩山首相
人の問題で片付くなら、どうでも良い話なのだが、ことは国対国の話だけ
に厄介である。何度も書くが鳩山首相が「沖縄の負担軽減、抑止力の問題
を含めて、現行案と少なくとも同等か、それ以上に効果のある案だ」と語
った腹案を提示するのは、今このタイミングをおいて他に無い。このまま
では、普天間飛行場が継続使用されることになり、前進どころか後退して
しまうのだ。5月末まで残された時間は少ない。鳩山首相の決断次第では
国益を大きく損なうと自覚して欲しいものだ。