自民党舛添要一厚生労働相は21日、自身を党首とする新党を結成す
る考えを表明した。22日に離党届を提出する。党執行部批判を続ける舛
添氏に対し、自民党内で離党か、発言自粛かを求める動きが本格化したこ
とを受け、新党結成を決断した。政党要件となる国会議員5人以上の確保
は、自民党と国会で統一会派を組む改革クラブから3参院議員の参加など
で見通しが立ったとしている。各種世論調査で「首相にふさわしい政治家」
のトップに挙げられる舛添氏の新党結成が、夏の参院選情勢に影響を与え
るのは確実だ。舛添氏は新党結成について「タイムリミットに間に合うよ
うに、いろんな政治家と話をしている」と述べ、公選法参院選での政治
団体の名称が保護される期限の5月2日までに立ち上げる考えを示した。

 

次の首相候補として常に上位に顔を連ねてきた舛添氏だったが、ついに自
民党を離党して新党を結成することとなった。だが、その実態は自民党
統一会派を組んでいる改革クラブの衣替えに過ぎないようだ。実際、改革
クラブ代表の渡辺秀央氏、幹事長の荒井広幸氏、山内俊夫氏は参加に前向
きで、自民党矢野哲朗参院国対委員長も合流する方向で、政党要件を
満たす5人の国会議員は確保したものの、自民党内からは離党者が見込め
ないため、改革クラブと組まざるを得なかったのではないか。つまり、追
い込まれての離党とのイメージがつきまとい、自民党からの離党者の受け
皿となるかは微妙である。舛添氏は新党の理念・政策について「清潔な政
治を目指す。外交、安保、経済をきちんと立て直す。今の体たらくの鳩山
内閣を打倒する」と記者団に強調したわけだが、それだけの力を発揮出来
るかは微妙である。新党が乱立する中、改革クラブの母屋を借りたにすぎ
ない舛添新党、前途多難の船出である。