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兵庫県尼崎市の韓国人男性がタイで養子縁組したとする554人の子ども
手当を市に申請しようとしたが、市が受理しなかったことがわかった。制
度では、手当は養子にも支給されるが、市から問い合わせを受けた厚生労
働省は「子ども手当の趣旨に合わず、支給されないケースにあたる」と判
断した。同省は「これだけ大量の申請を確認したのは初めて」としている。
市によると、男性は22日、「タイ人の妻との間で、タイの修道院や施設
の子ども554人と養子縁組しており、子ども手当を申請したい」と窓口
を訪れ、養子縁組を証明するものとして、子ども一人ひとりの名前と生年
月日、出生地が記録されたタイ語の書類と日本語訳を示した。「タイに定
期的に渡航し、現地で子どもたちと寝起きしている」と説明した。

 

子ども手当は、海外に子どもを残してきた外国人も対象としており、さら
に人数制限を設けていないとあって、国会でも議論の対象となっていたの
だが、参院選前に支給を開始したい政府の思惑もあり、詳細な制度設計を
せずにスタートさせてしまった。厚生労働省が作成した制度を説明する「
一問一答」では、「母国で50人の孤児と養子縁組を行った外国人は手当
を支給されない」と例示しているようだが、では10人、20人なら支給
されてしまうものなのだろうか。国民が収めた税金を外国人にも気前良く
ばら撒く必要性など無く、日本人の子供の保護者が外国に住んでいて、子
供が日本にいた場合、これは受給の対象にならないなど、いったい誰を対
象にした手当なのか、大いに疑問が残る。事務処理を自治体に丸投げした
ことも禍根を残すだろう。政治主導と声は勇ましいが、その中身は選挙対
策なだけに、そんなことを見透かせない有権者は少ないのだ。