米軍普天間飛行場の国外・県外移設を求める県民大会が25日、同県読谷
村の運動広場であり、主催者発表で約9万人が参加した。超党派普天間
移設の大会は初めてで、仲井真弘多知事も初参加。「県外」を求める沖縄
ぐるみの強固な意思を改めて政府に突き付け、県内移設を断固拒否する姿
勢を示した。政府の検討過程の中で、キャンプ・シュワブ陸上部案やホワ
イトビーチ沖合案という県内移設案が浮上。自公政権時に日米で合意した
シュワブ沿岸部の現行計画を模索する動き政府にもあり、沖縄は強く反発
している。普天間移設の県民大会に初参加した仲井真知事は「普天間の固
定化は絶対容認できず、政府は責任ある解決策を示してほしい。鳩山政権
は公約に沿ってネバーギブアップ、しっかりやってもらいたい」と政府に
注文。そのうえで「全国の皆さん一人一人の安全保障が沖縄につながって
いる。どうか基地負担の軽減にお力を、手を差し伸べていただきますよう
お願い申します」と訴えた。

 

去年の衆院選普天間基地の国外、県外移設を沖縄で触れ回った鳩山首相
が自ら蒔いた種であるが、沖縄では県内移設への反対派が勢い付いている。
これをどう収めるか、鳩山首相指導力が問われている。一度振り上げて
しまった拳を引っ込めさせるには、これまでのように地域振興と言う名の
バラ撒きでは逆効果であり、落としどころを見付けるのは困難である。普
天間基地に限らず、米軍基地を誘致したいと思う自治体など、住民感情を
考えれば有り得ない。それを考慮せずに、国外はともかく県外移設を打ち
出した鳩山政権の見通しの甘さは酷過ぎるのではないか。それとも、苦境
を救うべく、どこかの自治体が名乗り上げてくれるとでも思っているのか。
鳩山首相参院本会議でも、自民党山本一太氏が「5月末決着に職を賭
して臨むのか」とただしたのに対し、「すべての政策に職を賭す覚悟で臨
んでいるのは当然で、普天間移設先の問題も当然含まれている」と表明し
たわけだが、本当にその覚悟があるのか。職を賭すとまで言った以上は、
その姿勢を少しでも見せて欲しいものだ。