小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体陸山会」の政治資金規正法
反事件で、東京第5検察審査会は27日、同法違反容疑で刑事告発され、
東京地検特捜部が不起訴とした小沢氏について「起訴相当」とする議決
をした。小沢氏は幹事長を続ける意向を表明したが、政府・与党から自
発的な辞任を求める声も上がっており、夏の参院選を控えて進退が焦点
になるのは確実だ。特捜部は3か月をめどに再捜査を行い、改めて処分
を判断するが、再び不起訴にしても審査会が再度起訴すべきだと議決す
れば、小沢氏は強制的に起訴されることになる。小沢幹事長は27日、
党本部で記者団に、「私自身、何もやましいことはない。与えられた職
務を淡々と全力でこなしていく」と述べ、幹事長続投を表明した。決は、
陸山会が2004年10月に東京都世田谷区深沢の土地を約3億400
0万円で購入しながら、同年分の政治資金収支報告書に記載せず、翌0
5年分の収支報告書に虚偽記入をした容疑について、元事務担当者の石
川知裕議員や池田光智被告らと小沢氏の間で共謀が成立すると認定した。

 

逃げ切ったかに見えた小沢幹事長であるが、検察審査会が起訴相当と言
う議決を下したことで、再び東京地検特捜部の再捜査を受けることにな
った。検察審査会は『検察官が独占する起訴の権限の行使に民意を反映
させ、また不当な不起訴処分を抑制するために、地方裁判所またはその
支部の所在地に設置される、無作為に選出された国民11人によって構
成される機関』であるが、民主党の議員からは「素人集団の議決は民主
主義への挑戦で残念だ」「簡単に国民感情で被告席に着けてしまってい
いのか」と言った声が上がっている。だが、「国民目線」で審査員らが
精査したことを、素人感覚の一言で片づけてしまうのは、少々言い過ぎ
ではないか。この議決によって、小沢幹事長の進退問題が再び浮上し、
単独過半数を狙う参院選にも大きく影響することだろう。何もやましい
ことはないとして、幹事長職に留まり続けることが、果たして民主党
ためになるのだろうか。いずれにしても、東京地検特捜部が再び動き出
したことで、小沢幹事長の周辺は騒がしくなることだろう。