政権批判を強めるメディアに対し、鳩山由紀夫首相や閣僚らがいら立ちを
募らせている。「政治とカネ」に米軍普天間飛行場移設問題の迷走で内閣
支持率は2割台に急落。政府内では、負の側面ばかりが一方的に報じられ
ているとの不満が強い。首相らはメディア対策の検討に入ったが、軽い発
言と指導力不足を指摘される首相への世論の信頼回復は容易ではない。「
メディア上では政治とカネ、普天間の問題にスペースが占拠されている。
どうしても世の中の心理はその方に動く」。仙谷由人国家戦略担当相は1
1日の記者会見で、こう不満をぶちまけた。首相自身、最近は記者の質問
を避け、短時間でやりとりを打ち切るケースが増えてきた。政府関係者は
「答えたくないことばかり聞かれるからだ」と首相の心中を代弁する。

 

鳩山政権の支持率が低迷したのは、マニフェスト通りに実行出来なかった
こともあるだろうが、何よりも鳩山首相の「軽さ」が原因だろう。サービ
ス精神が旺盛なのか、不用意な発言を繰り返し、そのたびに批判を受ける
こととなったため、いわゆる「ぶら下がり取材」を止めようと言う意見さ
え出ているようだ。だが、メディアが負の側面ばかり書くのが気に食わな
いとして、取材や会見を忌避するようでは話にならない。メディアと対立
しているようでは、もはや政権末期の状態と言わざるを得ないだろう。そ
れだけ問題を抱えているのが、鳩山政権なのだと意識してもらわねば困る
のだ。第一、政権交代後のハネムーン期間はとうに過ぎ、次第にでも成果
を出さなければならない時期なのを忘れたのか。いら立ちを募らせるのは
勝手だが、だんまりを決め込めば支持率が上向くと思ったら大間違いだ。