平野博文官房長官は17日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場の移設問
題をめぐり5月末にとりまとめる政府の対処方針について「首相発言とい
うことはあるかもしれない」と述べた。各閣僚の署名が必要な閣議決定
閣議了解ではなく、閣議での首相発言で決着させる可能性を示唆したもの
だ。平野氏はまた、首相発言で内閣全体の意思を示すことになるとの認識
を強調。政府が普天間飛行場の県内移設で閣議了解を求めた場合、応じな
い考えを示した社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相に関しては「
当然、理解をいただく努力はする」と語った。平野氏は政府方針を決める
手続きについて、当初は閣議決定を目指す考え方を示していたが、4月1
5日には「閣議決定閣議了解かは別として、何らかの意思は明確にしな
ければならない」と発言を後退させた。「首相発言」で決着させる可能性
を示唆したのは社民党への配慮とみられる。

 

そもそも政府が一枚岩で無い以上、普天間基地の移設を進めるための政府
案を固めるなど出来はしないだろう。ここまで社民党に配慮しなくてはな
らない理由は、参院選を前にして連立政権が崩れるのを恐れてなのか。そ
れでは、党利党略のために国益を損ねていると批判されて当然である。ま
た、社民党社民党である。基地の移設問題に真剣に取り組んでいるとは
思えず、単なるわがままにしか見えないのは気のせいか。参院選の結果次
第では、連立から切って捨てられる可能性もあり、駆け引きの材料として
基地問題で鳩山政権を揺さぶっているのか。いずれにしても、あまりに稚
拙であり、政権与党としての役割を果たしているとは言い難い。鳩山首相
の美点は「配慮」にあるのかもしれないが、ここまでの配慮は不要である。
むしろ、それが害となっていることに気が付くべきだろう。