前原国土交通相は18日の閣議後の記者会見で、普通車を上限2000円
などとする高速道路の新たな料金制度について、6月実施を断念したこと
を表明した。前原国交相は「(全国の37路線50区間を対象にした)無
料化を先行して6月下旬から開始する」と述べ、上限2000円などの新
料金制度の実施時期については、「国会の審議状況を踏まえて決めたい」
と話した。新料金は、今夏の参院選以降に導入される可能性が強く、当面、
土日祝日の「上限1000円」などの現行の料金割引が継続される。国土
交通省は4月、一部地域で高速道路の無料化を実施するのに合わせ、6月
から新料金制度を導入すると発表していた。新料金制度は、一定の走行距
離を超えた場合、普通車は2000円、軽自動車は1000円、トラック
は5000円などと料金の上限を定める内容。

参院選前にして導入するのは、マイナスとなると考えたか、大半のドライ
バーにとっては値上げになる高速道路の新料金制度は先送りされることと
なった。これこそ愚の骨頂であるが、このような場当たり的なことを繰り
返すことが政治主導と言うものなのか。それでも参院選マニフェスト
は高速道路の原則無料化を目指すとしているのは何故だろう。ガソリン税
などの「暫定税率廃止」は削除したのに対し、高速道路の無料化は目標と
して掲げるのはバランスが悪い。実施時期も、実施される道路も決められ
ないまま、原則無料化と看板を掲げるのは如何なものか。政権交代から決
して少なくは無い時間は経過しているのだ。何らかの方向性を示すことは
出来ないものなのだろうか。それとも、発表すると票を失いかねないと逃
げの一手なのか。非常に残念な話である。