北海道教職員組合による民主党小林千代美衆院議員への不正資金提供事
件をめぐり、小林氏が国会閉会後の6月中に議員辞職する方向で検討して
いることが分かった。複数の民主党関係者が20日、明らかにした。陣営
に資金を提供し、政治資金規正法違反罪に問われた北教組委員長代理、長
田秀樹被告が、19日の札幌地裁での初公判で起訴内容を認めたことから、
小林氏は「自らの政治責任は重い」と判断したようだ。長田被告への地裁
判決は6月中に出るとみられている。今国会の会期末は6月16日。小林
氏が国会閉会後に議員辞職すれば、公選法の規定により衆院北海道5区の
補欠選挙は10月24日となる。小林氏が議員辞職すれば、「政治とカネ
」の問題を抱える鳩山由紀夫首相と小沢一郎幹事長の責任論が再燃する可
能性がある。

 

何らかの党内事情があったのか、ようやく小林氏は責任を取って辞職する
こととなったようだ。文字通り労組丸抱えの選挙で、昨年8月の衆院選
自民党の大物である町村信孝官房長官に約3万票差をつけて当選してい
る。今回の事件では、小林氏は自らの道義的責任を認めてはいたものの、
進退については裁判の行方などを見守った上で判断するとして態度を保留
してきた。責任を取らずに居座る姿勢には批判が集まったが、同じ「政治
とカネ」の問題を抱える鳩山首相小沢幹事長へ飛び火しないようにする
ためだった、とすれば合点のいく話である。補欠選挙には小選挙区で敗れ
比例で復活した町村氏、さらには第三極として勢いを増すみんなの党も候
補者の擁立を検討しているとされる。補選は10月24日となり、参院選
の結果を受けての戦いとなるのだ。注目を集める選挙区なのは間違いない
だろう。