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鳩山由紀夫首相は続投表明から一夜明けた２９日早朝、日中韓首脳会談出
席のため韓国へ飛び立った。「県外移設」「５月末決着」の公約を破った
首相への批判は、国内に残された民主党議員や参院選候補者が浴びる形と
なった。参院選へ向け同党内の危機感は急速に高まっており、首相退陣論
が公然と語られ始めた。民主党の細野豪志副幹事長は２９日、福島県会津
若松市で講演し「週明けにはいろいろな議論があると思う」と退陣論が浮
上する可能性を示唆した。党内で細野氏は小沢一郎幹事長に近い立場。会
場からは「首相と小沢幹事長が辞めることが最大の選挙対策」「信用され
ない人が何を言っても信用されない」と厳しい批判が相次ぎ、立ち往生す
る細野氏に代わり渡部恒三元衆院副議長が「私も同意見」と同調した。

公然と退陣論が出てくる状況に、もはや鳩山首相の求心力は失われたと言
っても過言では無いだろう。しかし鳩山首相が退陣することで、小沢幹事
長も辞任するかと言えばそうでもないのではないか。小沢幹事長に近いと
される細野副幹事長が退陣論を口にしたのも、何らかの意向が働いたと見
てとれるためだ。そのために厳しい批判を受けたのだろうが、岡田外相も
「かなり民主党は負ける可能性がある」と厳しい情勢を認める発言をして
おり、民主党の幹部も情勢の挽回のためには、トップを刷新するしか無い
との判断に傾いているのだろうか。政権交代の熱狂は醒め、支持率は落ち
る一方の中で、もはや反転攻勢は望めない。負け過ぎないためには、自民
党から引き剝がした業界団体の組織票を固めるぐらいしか手が無いだろう。
窮しての首の挿げ替えほど愚かなことは無いのだから。