参院選を目前に鳩山政権は社民党の連立政権離脱、内閣支持率の20%割
れという窮地に追い込まれた。鳩山首相は求心力低下に歯止めを掛けよう
と躍起だが、政権浮揚への決め手は見当たらない。首相はこれまで、内閣
支持率の続落にも「10年度予算が成立し、個別政策の恩恵を国民が実感
すれば、支持率は自然と上向く」などと繰り返してきた。しかし、読売新
聞社が29〜30日に実施した緊急全国世論調査では、内閣不支持の理由
として「政策に期待できない」を挙げた人が2割強に拡大した。社民党
連立離脱を招いた沖縄県の米軍普天間飛行場移設に関する日米合意も「評
価しない」が6割近くに達するなど、政策面で好転の兆しは見えない。

 

すでに政権末期とも言える支持率の状態だが、民主党鳩山首相を担いだ
まま参院選に臨むと言うのであろうか。一部の世論調査では比例の投票先
自民党を下回っており、今のままでは組織票を固めたとしても、苦しい
選挙戦になるのは間違い無い。「10年度予算が成立し、個別政策の恩恵
を国民が実感すれば、支持率は自然と上向く」とは言うものの、その代表
格である「子ども手当」も評判が良いとは言い難い。参院選前の6月に支
給したところで、受け取る方にとっても、この制度自体が恒久的に続くも
のだとは思っていないのではないか。また、社民党が連立を離脱したこと
で、政権そのものの基盤が弱体化したのは事実である。だが、それとて本
来なら連立を組むべきでは無い相手と組んだことの、しっぺ返しに他なら
ないのだ。改選を迎える参院議員からの突き上げも激しくなり、ますます
鳩山首相の求心力は失われていく。この非常事態に小沢幹事長が沈黙を守
っているのも気になる。もはや覚悟を決めたと言うことであろうか。