鳩山首相の退陣表明を受けた民主党代表選は、4日の投開票に向けて、党内
各グループが準備を本格化させた。菅直人副総理・財務相は3日夕にも立候
補表明の記者会見を行う方針で、前原国土交通相や岡田外相、野田佳彦財務
副大臣が相次いで菅氏支持を表明し、菅氏への支持が広がっている。中堅・
若手の支持を受ける樽床伸二衆院環境委員長も同日昼、出馬する意向を表明
した。新代表は4日午後0時30分ごろ、選出される予定だ。新代表は4日
中に衆参両院で首相指名を受け、同夜、新内閣を発足させる方向だ。同党は、
7日に衆参両院で新首相の所信表明演説を行いたい考えだ。

 

国会の会期末が迫る中、政権を放り出した鳩山首相。その影響で、新首相の
指名選挙や所信表明演説などで国会の法案審議が滞るのは確実である。衆院
では可決されたものの、参院で審議未了のまま国家公務員法改正案や地球温
暖化対策法案などの重要法案が廃案になる可能性が強まってきている。その
中でも、国民新党が強く推す郵政改革法案は強行突破で成立させるのか、い
ずれにしても厳しい日程となるのは間違いない。民主党代表選は時間も無い
こともあり菅副総理と樽床氏の一騎討ちとなるのだろうが、どちらが選ばれ
ても新首相として、いきなり厳しい選択を迫られる。ここでの対応を誤れば、
何のために首相の首を挿げ替えたのか分からなくなるのだ。支持率回復のた
めの交代は明らかであり、有権者もそこまで馬鹿では無い。民主党にとって
最大の危機であることを忘れてもらっては困る。